記憶術あれこれ

記憶術の誤解:脳は活性化するのか

この発信を始めた理由

テーマは脳が活性化するのか。です。結論から言うと活性化はしません。私も長い間、この誤解をしていました。

今回は、蔓延していると思われるその誤解と、私自身の何故その誤解をしていたかについて話をします。

今日のそもそも、この発信は、

記憶術の評判が悪いみたい

と思ったのが動機でした。

最初から記憶術の発信をしようと思ったわけではありません。何かSNSで語るテーマがないかと色々考えていて、記憶術はどうだろうとずいぶん後になって思い始めたのです。

記憶術はいつの間には自分の中にあまりに自然にあったので、特別なものでなかったわけです。その経験から、九九と同じように誰もが持てばいいのに、とも思い始めたのです。

それで色々調べてみると、意外や意外。“記憶術はうさんくさい” “普通におぼえた方が早い”という投稿が目についたのです。それで、その誤解を解こうと思って発信を始めたわけです。

発信の目的

本当の記憶術の姿を示して

多くの人に使ってもらえる形を目指そう!

底辺を拡大して、多くの記憶術師を応援すれば、普通にみんなが使えるように。などと少し大げさな大義も持っています。

世界の日本人の学力低下もニュースになっているし、AI時代にこそ必要!と思ってもいます。

以上が前置きです。

未経験者からどう見えるか

記憶術は怪しいかも

記憶術について調べ始めた第一印象は、

秘密のベールに包まれている感じ

でした。色々な人が発信をしていてセミナーも多くあって、でも、良く分からない。

一体、記憶術とは何ぞや。というものです。

記憶術はとても簡単に説明できるものです。
様々な方がその動画も出しています。たいてい10分以内ですね。

記憶術の一般的な見せ方は、そこに何かすごい秘策があって、それを習った人はこんな成果を出している

という見せ方です。どこどこの大学に受かった、とか、この試験を突破した、とか。予備校の打ち出し方と同じです。

でも、予備校は何を中で行っているのかは誰でも知っているけど、記憶術はそうではない。好意的にとらえてくれればいいのですが、勘ぐる人もいるのです。

ちょっと魔術っぽく見える?

記憶術で調べてみるとレクター博士にぶち当たります。「羊たちの沈黙」という映画ですね。場所法の別名メモリーパレス、記憶の宮殿とともにです。

レクター博士は天才で1000もの記憶場所を頭の中に持っているという事ですが、これが人肉を食らう狂気の人として描かれているのです。

何ともか怪しく秘密めいている感じで魔術的ではないでしょうか。記憶術でなく記憶法と名前を変えて発信している人がいるのもそのためかもしれません。

脱落者が何故いるのか

今回の本題はどちらかというとこちらです。
記憶術の講座を受けたものの、使えなかった方々です。

記憶術の講習を受けて使えなかった友人

代表的なのは私と一緒に講座を受けた友人です。

その講座は土日連続2日間、朝から夕方まで計16時間の講座でした。合宿ではなかったのですが、2日間は記憶術以外の用は何も入れないようにとのお達しが事前にありました。

参加者は70名くらい、年齢はバラバラで中学生から70歳くらいのお年寄りまでいました。出席した方々は、試験勉強のため、学力増進のため、生活を豊かにするため、ボケ防止のため、それぞれ理由があったと思います。

カリキュラムとしては場所法、連結法、速読法の訓練がありました。やり方としてはどれも同じ。先生が説明するのは本当にわずか。時間のほとんどは自分の頭の中で考えて、生徒同士が対になってチェックするというワークです。

この2日間で場所を頭の中に30ほど作り、それを使って瞬時に覚える方法をマスター。そして100の言葉を連結させて実際に覚えたり、速読もできるようになりました。

それは感激ものです。その間隙は友人も同様だったのです。

しかしそれから長い年月が経ってその話をして分かったのは、その後その友人はその記憶術を何にも活かしてなかった事です。「そういえば、そんなセミナー受けたな」という程度の反応だったのです。私が記憶術にハマって様々な事をおぼえたのとは対照的です。

記憶術への期待が間違っている

これは私自身の経験です。受ける前に自分は大誤解をしていました。

それは、脳の中身が変わるという事でした。

私がその講座を受けたのは、特に試験対策など何か目標があったわけではありません。世話になっている方から勧められ、出ざるを得ない状況になったからです。

ただ、安くはないその講義を受ける事にしたのは、そのお方の話に興味を持ったからでもあります。

それが”脳の中身が変わる”というものだったのです。
少なくとも“記憶術の講義”という認識がなかったのは確かなのです。

それは、未経験者の私がおちいった大誤解です。巷の都市伝説と重なってしまいました。

脳が活性化するという話

記憶術の講座を受けた後、それは楽しいものでした。とにかく何かを覚えたくて仕方ないのです。それは、自転車が乗れるようになった事が楽しくてどこかに行きたいのと同じです。

とにかく楽しくて毎日1から100までの記憶表を作ってタイムトライアルしたものです。

それをしている時は、恐らく“活性化してた”のだと思います。頭にセンサーを付けたら恐らく波形に出るでしょう。

でも、この医学的な活性化の話と、記憶術を受けて脳が活性化するという話は全く別です。

記憶術を習得すれば脳が活性化する、という意味は、
自転車に例えれば
自転車に乗れれば運動神経が良くなる、と同様です。

言い換えれば、

私の大誤解

記憶術で脳の未使用の部分が目覚めたりはしない

です。それは筋肉と違い脳には潜在能力みたいなものがあって、そこに乗っかって広まった都市伝説があったのです。

脳に関する都市伝説

このような話があります。

脳の大部分は使われておらず、ごく一部しか機能していないという話。10%説と3%説があるようです。

10%神話は1800年代にハーバードの教授が提唱した事から発したもので、そこからアインシュタインも唱えたとの話が加わり都市伝説になりました。伝説とは、残り90%を開発すると潜在能力が現れて知能が高まるというものです。その伝説を題材に、薬で脳機能が驚異的に覚醒したLUCYという映画も作られました。

その後3%神話も出回ります。それは脳の細胞の可能処理データ量という通電の結果だったらしいのですが、そこから10%伝説と同じように広まったようです。

これらは学識経験者から否定されています。ネットでもすぐに見る事ができます。

脳のメカニズムはまだ解明されていない部分も多いとはいえ、脳の中身が本当に変わる事はないのです。記憶術で脳の中身が変わったと思っても、しばらくすれば変わってない事に気づくはずなのです。

とにかく当時はまんまとこれにひっかかり、自分の脳が活性化して記憶力が上がったと思ったのです。

多くの参加者も似たような事を思っているのではないでしょうか。

記憶術に多くを期待してその結果に満足が出来ない人が出てくるわけです。自分の能力が高まるわけでもなく、自分の子供に受けさせても成績も上がらない。

そう、私と同じような期待をして裏切られるわけです。私の友人もそうだったのかもしれません。

Yahoo!知恵袋だったか、ネットのQ&Aの中に、知恵遅れの子どもを持つ親の書き込みがありました。「記憶術で脳が良くなると聞いたのですが」。

すがる気持ちで探して探して、何とか我が子を普通にしてやりたいという思いでネットをさ迷っているのが目に浮かびます。

その問いには、吐き捨てるような感じで「やめとけ」と回答されていました。説明は理屈にあっているものでした。

その先はどうなったのか分かりませんが、もし、この親が子どもを記憶術のセミナーに出したとしたら、それは目も当てられません。

記憶術パフォーマンスはうのみにするな

記憶術パフォーマンスも誤解を与えます。

これは記憶術のすばらしさを伝えるのに一番のパフォーマンスなのは間違いありません。でも、それで勘違いしやすいのも事実だと思います。

これについては別に詳細を乗せています。これも、まさに脳の中身が変わったように誤解させるものです。

これは誰でもすぐに出来るようになります。それを後から自分で何度も繰り返す事が重要なのです。そこで自分に合った記憶の仕方をつかんでゆく。それこそが飛躍へとつながるわけです。

それを分かれば記憶術が活きる

冒頭にも書きましたが、狙いは記憶術のすばらしさを伝える事です。

とにかく、記憶術では頭は良くならない。
脳の吸収力が上がるわけではない。
記憶力が高まるわけでもなく、物忘れもなくならない。

そこをきちんと理解するべきです。
幻想や非現実的な期待が挫折につながります。

記憶術の仕組みはとてもシンプルで、子どもでも簡単に理解できます。

これをきっちりと認識した上で記憶術に向かい合えば、間違いなく効果が出てきます。本でも講義でも、学ぶべきは記憶術の基本的なやり方ではないのです。

学ぶべきは記憶術の応用の仕方。そこが重要なのです。基本は恐らくどこも同じ。その先が執筆者や講師で違ってくるのです。

それは、バッティングコーチと同じ。コーチから野球のルールなど基本事項を学ぶことはない。学ぶのは細かなテクニックです。

記憶術のやり方や基本的なテクニックは本やネットで学べます。私も極力分かりやすいように伝えるつもりです。でも、そこはまだ入門者レベルです。

そこから先は、自分の頭の中でどれだけ色々やってみる事が重要です。おぼえたいものを設定して”覚えやすい形”に変更しないと使いこなせるようにはならないのです。

試験で本当に使いたいのなら、かなりの試行錯誤が必要です。似たような言葉、インプットとアウトプットがどうしても異なる、など、やってゆくとぶつかる壁が多々出てきます。

これが実践のレベル。私は独学でやりましたが、ここの域まで持ち上げてくれる講師もたくさんいるはずです。

それを乗り越えてはじめて長文や多くの物事を覚えられるようになるのです。
まずは、誤解を解いてください。

記憶術は

脳の能力自体は変わらないでも

テクニックをマスターすればめちゃめちゃ使える

という事で今回は、これを結論とします。
ではでは