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カタカナ英語が日本を救う(!?)

怖いくらい通じるカタカナ英語の法則」池谷裕二 著 講談社 刊 を読んで考えました。書評第2弾になります。

目次

・日本人の脳は流暢に話せない

脳科学の視点で日本人が流暢に英語を話せないという池谷先生の理論は、私の今まで抱いてきた考えを補完するものでした。

例えば、ある私の知り合い。彼は英語に関してとても自信を持っています。しかし、その発音は何故か気持ち悪いのです。LとRの違いやvとbの違いもきちんと棲み分けできて、thやfも確かに教科書通りの発音をしています。しかし、何か不自然なのです。

一方、堂々とカタカナ英語で渡り合っているビジネスマンの知り合いもいます。聞いていて気持ちの良いくらいカタカナです。彼は長年ヨーロッパに住んで外国人と結婚し、仕事もプライベートも英語だけの生活でした。

その後、彼はタイに移り住んで、そこでも英語で生活しています。周りはタイ人だらけ。その英語がカタカナ英語だからそうなったのかもしれませんが。

この二人にとどまらず、長く英語の中で生活していた日本人でもネイティブにはなかなかなれません。

流暢に話すのは日本人には無理。才能のある人以外は、ほとんど脱落する運命にある。それなのに本屋には才能のある人が書いた、才能のある人向けの本しかない。と、この本に書かれているのです。

・世界はカタカナ英語にあふれている。

タイや香港などアジアでもカタカナ英語に出くわします。インドではラが強調されていたり、シンガポールの電車の案内ははっきりと「ネクスト・・・」と言っていたりしたのです。

「ネクスト」の「ト」は子音ではありません。まさにカタカナそのものです。なので日本人にも聞き取りやすいものでした。

でも、それはアジアに限った事ではありません。アメリカでの事。そこは外国人相手ではない雑貨の店で、店員は完全に英語ネイティブのお年寄り。

当時、私はカナダ人の友人と会話をしまくった直後で、自分でも流暢な発音をしていると思い込んでいました。

そして、何かを探して話しかけたのですが、全く聞き取ってもらえません。でも、近くで聞いていた親切なアジア人が通訳してくれたのです。多分、インドあたりでしょうか。

彼の発音はアジア特有のカタカナぽい英語でした。

世界にはカタカナ英語があふれている。それが自分の中の感覚でした。

英語は実際上の世界共通語。外国人と接するために必要不可欠な英語を習得した結果、世界各国でアレンジされた英語ができています。それが、どうにもカタカナに聞こえていたのです。

私はカタカナ語で乗り越えてきた

私自身は高校時代、英語に慣れなくてカタカナで覚える事から始めました。いわゆる語呂合わせです。それで数々の試験も突破して、その後から実際の発音に近づけてゆきました。

もちろん、ネイティブの発音にはならなかったのですが。。

社会人になってから「ノラロ」に出くわします。区切って言うと「ノット アット オール」(not at all)だけど、「ノラロー」と発音してもいいのだと知ったわけです。

池谷先生のスタートは「ハゼゴン?」と友人に聞かれたでした。「ハウ イズ イット ゴーイング?」(How is it going?)です。

スタートは同じ。でも、脳の中身と行動力の違いがある。本業でもないのに理論を形にして本にまでしてしまうのは、何とすごいことか。さすがは学者ですね。

とにかく、これを読んで自分が思ってきた事の裏付けになった事は間違いない。しかも、これを必要とする人が結構いるはずです。

参考になるので是非!