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素朴な疑問-記憶欲
記憶欲が疑問です。
世の中、ムダな記憶をしている人は数多いです。
小数点以下100桁まで覚えたとか、すべての国の国鳥を知ってるとか。
何の役にも立ちません。
せいぜい友達に自慢するくらい。
少し秀でればテレビやYouTubeで自慢?
いずれにしても自己満足です。おぼえた事に満足感をおぼえるんです。
知識欲って誰でもあるの?
でも、子どものころありませんでした?
私だけでしょうか。
小学校の3~4年のころだったと思いますが、
なんか、おぼえたいんです。何でもいいんです。
何でもいいから覚えたい
でした。それでおぼえるものを探しました。
その時のおぼえるキャパは100とか200だったと思います。
とにかく100~200。順番に並んでいるものなら何でもよかったんですで、みつけたのが歴代天皇。126代だって事を知ったんです。
それを手に入れたいけど、どうしたらいいかわからない。
小学生ですから。
今ならインターネットで何でも探せますが、その頃は探す範囲が限られていました。
当時も図書館があったのでそこで探せばよかったのしょうが、
そこまで賢くはなかったんですね。
で、母親に聞いたんです。
その時の反応はよく覚えています。
「は?」
です。
速攻、却下されました。
「そんなもん覚えて何になるの」
みたいな事を言われたのだと思います。
ムダだからやめときなさい、という感じでした。
最近テレビかYouTubeで世界の都市の名前を全て言える小学生というのを見ました。
小学校1年生なのか2年生なのか、それくらいです。
横に母親がいて。恐らく、この子も親に聞いたんですよ。
その母親は「は?」
とは言わなかったんでしょうね。
恐らく地球儀とか地図とか買い与えたのだと思います。
これが題材の違いなのか親の性格の違いのなかは分かりませんが、
私の場合はそこで止まりました。
結局天皇家125代の系譜は手に入らずあきらめた事だけは覚えています。
とにかく子どもの知識欲は少なくとも私だけではないというのは分かります。
そんな話題を話した事もないので友達がみんなそうだったかは不明ですが。
親は子どもの”知識欲”に気づいていない
それで、子どもの頃の自分に照らし合わせてみましょう。
まずは、その全部の世界都市を記憶した子どもの側に立ちます。
思うに、あの子は親や先生に「これ、覚えなさい」と言われたわけではないでしょう。
間違いなく自分でおぼえたいと思ったはずです。
しかも、世界の都市を覚えると”勉強に役立つ”と思ったわけでは絶対ないはず。
もっと先を見据えて”世界旅行をする時に役に立つ”とか、”将来地理の勉強をするときに役に立つ”とか、何か目的があったわけでもないと思うのです。
さて、そこで親に目を向けてみましょう。
私の親はまったくその時の自分の心の中を読めていませんでしたが、
果たしてテレビに出てきた親はこの子の事を分かっているのでしょうか。
少なくともテレビに出ているくらいだから自慢の子どもではああるはずです。
”この子は天才”と思っているかもしれません。
”小さいのに世界に目が向いている”、
”小学生にしてワールドワイド”、
”将来は世界を飛び回る外交官”
などと思っていそうな気配です。
もしあの頃の自分と同じだとしたら、その子は”世界”に興味があったのではなくて、
たまたま世界に196の国があるってことを知っただけなのです。
世界に20か国しかなかったらた興味を持たなかっただろうし、
1000か国だったら無理なので最初からやらなかったはずです。
あの頃自分が探していた、”100~200”くらいで覚えるものと同じです。
だとすると、その子はワールドワイドではないはず。
親には残念な事が起こります(*^▽^*)
次にとりかかるのは、”呪文の名前をレベル順に全て覚える”
とかになりそうです。
その方が子どもどうしの世界では有用です。
友だちの興味を引くかもしれないし、世界の都市より価値がります。
”何でもいいからとにかく覚えたい”という謎
でも、あの記憶欲ってのは何なのでしょうね。
”何の役にも立たないのに、とにかく覚えたい”
少なくとも“覚えるのは何でもよい”わけです。
大人になって同じ状態に陥ったのが記憶術の方法を覚えた直後です。
何でもいいから覚えたい。で、覚えるものを探しました。
その時も100とか200並んでいるものです。
意識的には“記憶術の練習”なんて言っていました。
パソコンとか本とか窓とか目につくものを順番に100くらい並べて、タイムトライアルで覚える。これを毎日のようにやっていました。
まさに「覚えることが面白い」でした。
歴代天皇より意味がありません。
あれは何なんでしょう。未だに分かりません。
食欲とか性欲とかなら分かるのですが、記憶欲とは。
人間だから?
人間だけにあるものは、名誉欲とか知識欲です。
でも、それとも違います。
だって、それは何かしら役に立つものです。
宇宙の星の名前を全部知りたい人は天文学者になるかもしれないし、
花の名前を全部知りたい人は花屋になるかもしれない。
それとは全然違うのです。
”何でもいいからとにかく覚えたい”は、未だに謎です。
今日は結論がありません。
誰か教えて!
というものでした。